侵入と惨劇

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もう一人の乗務員の話では・・ 「今、敵は追跡装置をかわすべく 無線や船の信号を切ってます それに もうすぐ入る次の海域は 波が激しく 小さな岩などの障害も多い  今は 自動操縦になってますが 奴等が何をするかわからないし 船のコントロールが心配です」 ・ 乗客の一人が言う 「隠れてるときに小耳にはさみましたが・・なんでも 我々の乗客の一部は人質にして 身代金を取るとか・・ 他の乗客は 自分達のテロの力の誇示目的で 殺してかまわないと・・ 武器を積んだ護衛艦は奪い、この船は沈める気らしいです」 この場所についてから、なかば意識のない乗務員の一人 彼のスマホがブルブルと振るえ、着信を告げる 「おそらく、外から戻ってきたセキュリテイだと思います」 そっとスマホに手をかけて 電話に出る「もしもし?」 「君は?」  「スマホの相手の方の意識がなくて 俺は 乗客の倉石 拓といいます 外のセキュリテイの方ですか?」 「ジョゼフ・コールネルだ」あのスキンヘッドの人の声 「君の声に聞き覚えがあるな・・あ、前の寄港地であった少年か」 ・ 「拓くん そちらの状況は?」 「広間の近くの倉庫に 数人と隠れてます」 「広間か・・そちらは操舵室に近いな」 「今は我々は 船尾の方にいる 占拠したとはいえ フイをついた攻撃で 客船にいる奴等の人数は少ない しかし助けの護衛艦が来るより 奴等が乗っ取った護衛艦の方が早く この船を掌握するだろう まだ護衛艦の乗務員が善戦してるが 後から偽装難民船で押し寄せてきた 彼らの人数が多い・・時間の問題だろう」 「どうするのですか?」 「そちらで動けるのは?」 「多くが怪我をしたりしてます 僕と・・」 「私なら なんとか・・肩を怪我してますが」 ・ 「我々が 船尾で騒ぎを起こして 陽動する  それと 私がそちらに向かい 君たちのサポートに入る こちらも人数が少ない 悪いが、 操縦室での操作を手伝ってくれないか?」 「船の位置を知らせて、 次の海域での手動操作の事ですか?」 「ああ 頼む 君は操作出来るかい?」 「はい 動ける乗務員の方に操作の指示をしてもらえるなら」 「決まりだ」
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