ちょことオタクな・のほほんな乗客三人組(「猫」と「萌え」と…)

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マジックショーの看板娘は廊下の角で 人相の悪い男と話している 誰かと話をしてるのが聞こえる  「無理よ そんなの」 「大丈夫だ いつもの手で・・」 「・・・・」 ・ なんだか様子が変だな? ま いいか  ・ 彼らの会話 それは この船の惨劇への始まり ・ マジックショーでは ナイスバデイな先程の娘が  身体のラインにぴっちりと添った黒いバニーを思わせる衣装をまとって クルクルと踊りながら回る  足の網タイツがとてもセクシーだ そしてかぶっていたシルクハットの帽子を意味ありげに手にとって ダンスを続ける 今度は傍にあったステッキの杖を手に取り その帽子にトンと当てる度に 帽子からは ウサギや鳩が飛び出す 「可愛い!」客席からは歓声  途中から隣の席に座った柘榴が嬉しそうに言う 「本当ね ホホ」嬉しそうにこっちらも笑う御祖母様 マジシャンが 彼女を大きな箱に入れる 次に箱を開いてみると 彼女が消失 再び箱を開くと数匹の猫や犬が飛び出す マジシャンの呪文の言葉と杖を振る合図で 猫や犬が箱の中に入る するとおもむろにマジシャンは呪文を唱え 箱の扉を閉める 再び開くと・娘が笑顔で元気よく飛び出す ・ 光を浴びるスポットライトステージ横の バックミュージックのトランペットやドラムが勢いよく音楽をかき鳴らす 「皆様 有難うございます! チャリテイもおこなってます ポケットの小銭をお願いします~」 キャストがそれぞれ、シルクハット(黒い帽子)を逆さにして 小銭を入れてくれるように 観客席を回る 「ねえ、拓ちゃん」そっと柘榴は目配せをする 「あれ、奥の特等席にいるの 乗り込む際に すれ違った男だっけ? 甲板で柘榴がバックを落とした時に拾ってくれたスキンヘッドの男に ・・・それに」 VIPだろうか アラブ風の衣装をまとっている 数人の黒ずくめの男に 守られるように 座って観劇している 数人の黒づくめの男に混じって スキンヘッドの男もアラブ風の衣装の男のそばにいる 回ってきたキャストを 黒ずくめの男がさえぎり、 アラブ風の衣装を着た男は 財布から沢山のお金を黒ずくめの男に手渡し、男が代わりに シルクハットの中に入れた 舞台 観客席の後ろでは 暗がりの中で 数人の男たちが暗い目をして立っている
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