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「失礼しまーす」なんて小さく言ってから、そろりとクローゼットを覗いた。
真新しい制服と共に見覚えのあるパーカー…やっぱり此処が俺の部屋で間違いないようだ。
部屋の灯りを探して点ける。
明るくなると、部屋の広さと豪華さが更に目に付く。
ヨーロッパ調のパステルグリーン縦縞に小薔薇柄の壁紙…無垢材の腰壁に、木製のお洒落な飾り棚。
ベッドサイドのテーブルも、味気ない真四角の引き出し付きの箱ではない。
学生の本文は勉学だ!子供は贅沢に慣れては良い大人にはなれない!感のハンパなかったあちらの寄宿舎…ベッドの寝心地も、あちらの寄宿舎の物と比べれば雲泥の差だ。
とても学生寮だとは思えないグレード。
「でも、問題は其処じゃない。」
俺は何時、どこで、誰に運ばれて此処に来たか?だ。
最後の記憶は、煙草臭いナルシーホモの不良と屋上に閉め出されたまでだ。
俺を此処まで運んだのは、まさかあの煙草臭い不良じゃあないよな。
だいいち…俺すら知らない俺の部屋を、誰が知っていたと言うのか?
「まさか、彼奴…屋上の扉ぶち壊してないよな?」
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