きんぎょのおねだり

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ドンドン! 頭から被ったタオルの両端を引っ張って、鬘を着けるかどうか迷い中…。 ドンドン!と玄関で扉を叩く音が響いた。 タブレットのスイッチを切り、頭にタオルを巻き付けて玄関へ…。 「へいへ~い、どちら様ですか?」 「僕です!海堂…」 「ああMr.海堂?」 扉を開けると、Mr.海堂が扉の前で頭を下げていた。 「ゴメン!僕…先生から君の事頼まれてたのに!」 「…立ち話も何だから、中に入ってよ。」 食事時なのか、廊下にはけっこうな人の視線が…。 「…ぇ?やだ!」 「やだ!じゃないだろ。色々訊ねたい事もあるし…入れ!」 頭を下げたままの、Mr.海堂の腕を引っ張って部屋に入れた。
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