きんぎょのおねだり

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頭を下げたまま、Mr.海堂は玄関先の床に正座…所謂土下座ってやつ? 腕を掴んだままで、俺まで姿勢を低くしてしゃがみ込んでるし… 「まさか、転校初日で制裁を受けるなんて思わなくて! まだフラグもそんなに立ってないのに…」 「いや、全く状況読めないから…先ず、頭上げて。 其処に居座られると、扉閉めらんないし…外にまる聞こえ…。」 ハッとして立ち上がり 「じゃあ、僕はこれで!」 と、出て行こうとするMr.海堂の腕を掴んでいた手を放した。 「…Mr.海堂って、もしかして腐男子だろ?」 「な、何故それを?」と、言って俺を見た後、ゼンマイが切れた玩具みたいに動きが止まった。 「こ、こ、こ、こ、こ、こんな…え?」 やっぱ、ゼンマイが切れてる…てか、どっかのネジが弛んでる? センスの良いメガネがズレて、白い顔が一層青白くなり…それが一瞬にして真っ赤に変わる。 何?この玩具、面白いんですけど。
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