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「呆れた… とことん最低な子ね…」 あのヒトの終わんない罵りに… 冷たく笑った。 「サイテーなのは、そっちじゃん… ねぇ? あたしが知らないとでも思ってる?」 なんで急に… お父さんって呼べないって反発したと思う? 一緒に暮らして見えたコト… 知ってしまった残酷な現実… それは、毎日の夫婦ゲンカだけじゃない。 飾ってる写真や、ふとした会話… そして、なにげに覗いたアルバムや、 探って見つけた不動産契約書。 あのヒトはあたしを、仕事の都合で追い出したんじゃない。 お父さんと暮らすのに邪魔で、追い出したんだ。 出て来た不動産契約書は、 今ん家と前ん家の分。 前ん家も、お父さん名義で… あたしを追い出した頃、同棲ってカタチで 契約してた。 写真の中で楽しそーに、 幸せそーに笑ってる2人。 その頃あたしは、寂しさに狂いそーだったのに…
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