カミングアウト

10/12
前へ
/320ページ
次へ
「だいたいさ! 深紅みたいにシンドイからってひねくれる子もいれば! 穂花みたいにシンドイからこそ優しくなれる子も居るんだよっ! そんな言い訳… 穂花を傷つけていい理由になんないからっ!!」 そう叩きつけて、足早に去ってく香織。 ー失敗作ー な、あたしだから… 香織の言葉は、 さらに欠陥品だって追い討ちする。 ーだからって誰かを傷付けていいワケ?ー そー思って来たのは、あたしなのに… 結局、慎司達と同じなんだ。 サイテーなあたしは、 きっとあちこち狂ってて… だから誰からも愛されない。 どこまでも自業自得なクセに… 穂花を傷つけたクセに… こんな時でも、自分の痛みが疼いてる。 ごめんね、穂花… そして香織。 いつだって心配してくれたのに… そんな気持ちを見過ごして、 踏みにじるコトしか出来なかった。 救いよーもないくらい… カスい。 茫然と、空(くう)を見つめた…
/320ページ

最初のコメントを投稿しよう!

272人が本棚に入れています
本棚に追加