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───ほとんど眠れないまま迎えた朝。
小さくため息をついてベッドから起き上がる。
乱れまくった浴衣を直し、サイドテーブルに用意されていた羽織に袖を通して寝室から出ると縁側から庭を眺めていた楠田部長と視線が合った。
「おはよう…ございます…」
若干の気まずさを覚えながら挨拶した私に、楠田部長はやんわりと微笑む。
「良く眠れた?」
「おかげさまでグッスリと」
明らかな嘘を述べる私に楠田部長は小さく笑って言った。
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