Act.10 Side Hazuki

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「結構、雪積もっちゃったわよ」 「……みたいですね」 「葉月ちゃん、昨夜はヒールだったし、これじゃ危なくて帰せないわね」 「いえ、ゆっくり歩くので大丈夫です」 もうこれ以上、惨めな思いに包まれながら楠田部長と一緒に過ごすのは辛い。 そんな私の心情を分かってくれないこのオネエは、顔色ひとつ変えずに言った。 「夕方までには融けるだろうから、ゆっくりして行きなさいな。 どうせ家に帰ってもまたお酒飲むんでしょ」 ……生き地獄だ。
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