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「結構、雪積もっちゃったわよ」
「……みたいですね」
「葉月ちゃん、昨夜はヒールだったし、これじゃ危なくて帰せないわね」
「いえ、ゆっくり歩くので大丈夫です」
もうこれ以上、惨めな思いに包まれながら楠田部長と一緒に過ごすのは辛い。
そんな私の心情を分かってくれないこのオネエは、顔色ひとつ変えずに言った。
「夕方までには融けるだろうから、ゆっくりして行きなさいな。
どうせ家に帰ってもまたお酒飲むんでしょ」
……生き地獄だ。
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