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けれど縁側から見える楠田部長の家の庭は一面の白で覆われていて、寝不足の目には眩しすぎる。
「とりあえずは朝ごはんでも食べましょうか」
そう笑って縁側から居間の方へと戻って行く、楠田部長は昨夜のことなんて全く気にしてないみたいだ。
それが逆に、また私を落ち込ませるんだけど。
「葉月ちゃーん、これ運んでちょうだい」
台所から聞こえた声で、諦めの境地に至る。
「はぁーい」
返事をしながら台所に行くと、今日も食欲をそそる味噌汁の香り。
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