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「だけどそれは葉月ちゃんも一緒よ」
微笑みながら言われた言葉に胸がトクンと鼓動する。
「葉月ちゃんも、必ずいつか恋をしたくなる時が来る。
その時は、自分に無理なんかさせないで真っ直ぐにその思いと向き合いなさい。
アタシはずーっと、葉月ちゃんの味方だからね」
私の心に出来たヒビに、その言葉が痛いくらいに沁みた。
楠田部長の優しさは、私の心の絆創膏みたい。
どれだけ傷を作っても、こうして優しくその傷を包んでくれる。
それはつまり、この人が私を女として見てくれなくても、
三島葉月という一人の人間をちゃんと見ていてくれるってことだ。
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