葛藤

11/38
前へ
/38ページ
次へ
けれどそんな失礼極まりない 質問にも、彼女は真摯に答えてくれた。 親友にご主人を寝取られた事実。 離婚経験がある事は知っていても その理由までは俺も知らなかった。 けれど彼女はその現実を 淡々と、他人事のように 話してくれる。 その横顔を見つめていると なんだか俺と似ている気がした。 彼女が桐生智樹を あんなにも意識していても 踏み込んで行けない理由は そこなのではないかと。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

524人が本棚に入れています
本棚に追加