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「もう、またそんな事言って」
隣で歩く幼馴染の唯がため息をついた。
「でも、今日からもう高2になるんだよ?そろそろ多貴ちゃんもその男嫌い何とかしないと」
「もうそれは去年で無理だって悟ったんです。あたしから男嫌いが治る事は、明日火星人とお友達になってギネスに認定される事よりもありえない話なんです」
「随分壮大な話になったね......」
廊下の窓から見える満開の桜はとても綺麗で
何も知らないで、ただ、揺れていた。
真新しかった制服も、すっかり自分の匂いがする。
「じゃあ、私こっちだから。後でね、多貴ちゃん!」
今日からあたしは高校2年生です!
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ガラッ
教室を開けると、一斉に視線が集まる。
来た、この感じ。
『おい見ろよ!あの白鳥さんと同じクラスだぜ』
『やべぇこれは奇跡なんじゃないのか』
『今日も超可愛いな~彼女になってくんねぇかな』
『バーカお前じゃ無理だろ』
通路を通る度、ヒソヒソと耳元でざわめく空気に寒気がした。
........聞こえてんだよ。
誰がお前らなんか相手にするか。
気持ち悪い瞳で あたしを見るな。
これだからクラス替えなんか
大嫌いだ。
ああ何で唯と離れちゃったんだろ。
去年は唯と一緒だったから、我慢できたのに。
うじゃうじゃと密集する男子の匂いが耐えられなくて、思わず手で鼻を隠す。
逃げるように通路を通り過ぎ、黒板に貼られたられた座席表を確認した。
いち、に、さん....あった。
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窓側から2列目、一番後ろにあたしの名前があった。
な、な、何という神席!!!
しかも幸運な事に、隣の席の人以外は周りは全員女子に囲まれていた。
良かった.....これならまだ何とか生き延びれそう。
でも一番窓側だったら授業中妄想しやすくてもっと良かったのに~。
ま、とりあえずラッキーだな。
カバンを机の横に掛けて、席に座ると、前の席の2人がうしろを後ろをチラリと振り向いた。
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