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ふわり
出会いの風が 吹く中で
ゆっくりと 左を向いたら
地球の自転が 止まった気がした。
陽の光に透ける 色素の薄い髪
石膏の 白い肌に
薄く整った 唇
伏し目がちの瞳は どこ憂いて
.............なんっっだこの人!!!!!!!!
痛いくらいのあたしの視線に気付いたのか、隣りに座った彼の視線が少し動いた気がした。
反射的にバッと目を反らす。
ドク ドク ドク ドク
何故だか鳴り止まない鐘の音。
な、何だかとてつもないものを見てしまった気がする。
落ち着け、落ち着けあたし.......!
胸が騒いで、ざわざわしてる。
瞳を合わすのは 怖い
でも
もう一度だけ...........
ふわり
出会いの風が 吹く中で
「..............!」
瞳が合った瞬間
カチリと 音がした
桜吹雪をバックに
極上の美少年
「・・・・?」
隣の席は 王子様だった。
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