第1小節

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「えええぇえええフォーリンラブぅううう!??!?」 「シーーーッ声がでかい唯!!」 慌てて立ち上がり唯の口を抑える。 始業式も無事に終わり、 学食でのお昼ご飯タイム。 「むぐぐ.......ご、ごめん多貴ちゃん」 「自分でも今何が起こってるのか理解できてないの」 「まさかあの多貴ちゃんが一目惚れなんて信じられない.......!」 丸目がちな唯の瞳は、いつにもましてクリクリっと真ん丸にあたしを凝視する。 「あたしも親友にフォーリンラブ報告なんて初めての経験なの」 この世に生まれて、色恋沙汰に縁もゆかりも無かったあたしなのに。 男子なんかみんな野菜だと思ってたのに。 あの後、担任が教室に入ってきて、出席確認を取って初めて知った。 “ 日 向 理 久 " この人、 日向理久って言うんだ・・・。 転校生?な訳無いか。もしそうだったら最初に紹介あるはずだし。 こんな人が学校に居たなんて、全然知らなかった。 まだまだ世界も広いってことね。 それにしても信じられない! 男子はみんな野菜じゃなかったの!? 漫画の中に出て来る ヒロインの初恋の男の子みたいな こんな綺麗な男の子を見るのは生まれて初めてで。 日向、理久・・・ひゅうが、りく・・・ひゅうがりく、がーりっく、がーりっく・・・ ガーリック? ガーリックじゃん!!!!! 野菜じゃなくて香辛料じゃん!??!? 顔が火照って 身体が熱くて 動揺が止まらないわ 王子様は 漫画の中だけだと思ってたのに もしかしたら初めて あたしは出会えたかもしれない 野菜じゃないって 思える子 完全な 美の塊 このときめき!!! 日向理久!!! 「彼こそまさに荒野に咲く一欠片のガーリックなのよ!ガーリック王子なのよ!!!」 「...................」 「何、その瞳」
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