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「えええぇえええフォーリンラブぅううう!??!?」
「シーーーッ声がでかい唯!!」
慌てて立ち上がり唯の口を抑える。
始業式も無事に終わり、
学食でのお昼ご飯タイム。
「むぐぐ.......ご、ごめん多貴ちゃん」
「自分でも今何が起こってるのか理解できてないの」
「まさかあの多貴ちゃんが一目惚れなんて信じられない.......!」
丸目がちな唯の瞳は、いつにもましてクリクリっと真ん丸にあたしを凝視する。
「あたしも親友にフォーリンラブ報告なんて初めての経験なの」
この世に生まれて、色恋沙汰に縁もゆかりも無かったあたしなのに。
男子なんかみんな野菜だと思ってたのに。
あの後、担任が教室に入ってきて、出席確認を取って初めて知った。
“ 日 向 理 久 "
この人、 日向理久って言うんだ・・・。
転校生?な訳無いか。もしそうだったら最初に紹介あるはずだし。
こんな人が学校に居たなんて、全然知らなかった。
まだまだ世界も広いってことね。
それにしても信じられない!
男子はみんな野菜じゃなかったの!?
漫画の中に出て来る ヒロインの初恋の男の子みたいな
こんな綺麗な男の子を見るのは生まれて初めてで。
日向、理久・・・ひゅうが、りく・・・ひゅうがりく、がーりっく、がーりっく・・・
ガーリック?
ガーリックじゃん!!!!!
野菜じゃなくて香辛料じゃん!??!?
顔が火照って 身体が熱くて
動揺が止まらないわ
王子様は 漫画の中だけだと思ってたのに
もしかしたら初めて
あたしは出会えたかもしれない
野菜じゃないって 思える子
完全な 美の塊
このときめき!!!
日向理久!!!
「彼こそまさに荒野に咲く一欠片のガーリックなのよ!ガーリック王子なのよ!!!」
「...................」
「何、その瞳」
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