越えられない壁

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彼女と繋がりたい、 ひとつになりたいと 心が泣き叫ぶ。 「…葵…」 登りつめ意識朦朧としている 彼女の髪を優しく撫でて 俺は奥深く腰を沈めた。 「…もう誰にも渡さないよ…」 そう言葉を落として、 ゆっくりと動き出す。 ひとつ彼女を弾くたびに 自分までが意識を 持って行かれそうだ。 「…紫…門…」 しがみつく彼女の白い腕と 吐き出された俺の名前。
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