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そして吉田専務が次にどう
動いて来るのか、
その手の内を静観しつつ
俺も次の手を考えなくては
ならない。
ミーティングが終わって
エレベーターホールの
壁に寄りかかり天井を
見つめていた俺に
葵が歩み寄って来る。
その姿は今でも狂おしいほどに
愛しいままで、打ちのめされた
自分の姿を見られる事が
無性に恥ずかしい。
俺を心配そうに見つめる
彼女はどこまでも残酷な女だ。
君の心の中には、
もう桐生智樹しかいないくせに。
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