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黙って聞き入る俺と親父を
冷たく見つめる裕子。
けれどそれを責める資格なんて
俺には……ない。
「私のした事は、
裏切り行為だと判断されても
仕方のない事です。
ですから解雇して頂いて結構です。
でも…
紫門さんには気付いて頂きたい。
あなたは月島家のご長男です。
感情よりも優先しなければ
ならない事がたくさんあります。
谷原さんとご結婚されたとしても
決してご自分の立場を
お忘れになっては
いけないのです。
それが…経営者というもの。
違いますか?会長」
川田の言葉に、親父は
黙ったまま小さく頷くと
微かに目を細め質問を
投げかけた。
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