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けれど、親父や裕子が言う通り
それは月島家の長男に
生まれた時から、
いつかこうなる運命を背負って
来たのは変わらない。
「分かりました。
少し…考える時間を下さい」
俺の返事に親父は静かに
頷くと社長室を出て行った。
裕子と二人、残された
静かな部屋の中。続く沈黙。
けれど俺も決断をしなくては
ならないのは分かっている。
俯いたままの裕子に
身体を向けて俺は口を開いた。
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