分岐点

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「なにを…?」 俺のスーツの上着に 顔をうずめて裕子は呟く。 「谷原さんの…匂いがする。 だけどここに戻ったって事は… 紫門くんは、 物凄く頑張ったんでしょ」 ニコリと笑った裕子の表情は まるで聖母マリアのようで 谷原 葵が俺に見せてくれた あの慈しみの微笑みと同じで。 一気に目頭が熱を帯びて行く。
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