壊れたハート
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「紫門、美紀さんの方は 父さんに任せて。 お前は裕子さんの傍に いてあげなさい」 「…親父…」 「たとえ愛した人が 壊れてしまったとしても お前は今、一番大切な人を しっかり守らねばならない。 それが男というものだ」 そう言って親父は、 車のドアを閉めた。 ウインドウガラスの向こう 穏やかな笑みを浮かべて 俺と裕子を見送る親父の瞳は ゆらゆらと揺れている。
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