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「……………」
無言のまま唇を
きゅっと噛んだ裕子。
俺と裕子の間には、
沈黙だけが流れる。
裕子の突き刺すかのような
視線だけが俺を見つめていて。
逆に気まずくなる。
「……な……何か言え」
「…喋っていいの?」
…あ。
そうだった。
「やっぱダメだな」
小さく笑った俺に、
裕子も穏やかな笑みを
浮かべて俺の手をぎゅっと
握りしめる。
繋がった手から
伝わって来る彼女の想いは
とても温かくて…
心地良かった…。
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