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「…どうして…?」
「…すまない…」
「じゃあ紫門は
誰を愛してるの?
川田さん?
それとも谷原さん?」
果物ナイフを握りしめたまま
俺に詰め寄る美紀。
けれど俺はその瞳を
真っ直ぐに見据えて答えた。
「…裕子だよ。
だから俺は裕子と結婚するんだ」
そう。
俺は…全てを捨てる覚悟で
裕子のためだけにここへ来た。
それを愛と呼ばずして
何と呼べば良いのだろう。
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