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裕子だけじゃない。
面倒な事からいつも
逃げて来た自分のせいで
ここにも苦しめてしまった
女がいる。
もう…
二度と同じ事を繰り返さないように
俺は改めて己の選んで来た
『僕』の存在を否定した。
「…悪いのは全部『僕』だ。
美紀は何も悪くなかったんだよ。
だから君は…幸せになる資格を
きちんと持っている。
もう過去にこだわってないで
本当に幸せになれる道を
見つけて歩んで欲しい」
ゆっくりと顔を持ち上げた
美紀は涙でいっぱいの瞳を
俺に向けゆらゆらと揺らした。
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