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裕子の唇の柔らかい感触に
俺の意識が全部
持って行かれそうになる。
葵とは違う、
身体中に駆け抜けるような
刺激ではないけれど、
触れただけで心が
癒されるような…
そんな感覚に包まれながら
何度も何度も優しく触れた。
微かに震えている裕子の手。
それを丁寧に包んで握りしめる。
ようやく唇を離して
裕子の顔をまじまじと
見つめてやると
彼女は真っ赤に頬を染め
ぎゅっと目を閉じたまま。
「裕子、目を開けて」
「…む…無理っ…」
「なんで?
ちゃんと俺を見てよ」
「や…恥ずかしくて…」
必死に抵抗する彼女に
思わずクスリと笑ってしまった。
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