第五章【特訓】

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(気付かない) 痛い (気付かない) 痛い痛い (慣れたっていうのはね) 痛い (それだけ体を切られたって事なんだよ) 痛みに慣れたって、事なんだよ? ーーー ーーーーー ーー ーーー ー 頑丈な扉を開けると、4対の目が俺を見た。 良かった、まだ起きてたんだな。 「…ちょっといいか」 どうやら声に元気がなかったらしい。 どうしたの? と心配そうに見られ、こころがほっこりした。 ヒーンと小さな嘶きに、そっと笑う。 「やっぱり俺は馬が好きだな」 そう呟くと、 当たり前だと蹄をドコドコ鳴らされた。 何て可愛い奴ら。 「お願いがあるんだ」 ん? 何か馬たちによる会議が始まったみたい。 乗るのか? 乗るんだな、よっしゃやったる! お前は黙れ 私よ! いやいやいや、 俺だ ボスに決めてもらおう! そうね! バッと、バッと、見られる。 俺もう馬の仲間なのかもしれないな。 会話がわかるよ。 まったく 「そんな期待込めた目で俺を見るなよ…」 近くにいたナナを撫でる。 途端避難が上がったのですぐに止めたけど。 後で皆んなも撫でてやるって。 「皆んなさ、トトって分かる?あいつちょっと乗せて欲しいんだけど」 あ、駄目だ。 皆そっぽ向いちゃった。 気持ちは分かるけど。
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