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「あたし、今日すっごく嫌な事があって、家に帰りたくなくてこの公園にいたの…けど、変態のお兄さんの堂々と戦ってるお尻を見てたら何だか自分の悩みなんて大した事無いって思えたの!!」
女の子は、そう言って俺に握手を求めると『がりがとう! またね! カッコイイお尻のお兄ちゃん!』ともう一度言って公園の外へとかけて行く。
本当ならこんな時間に一人なんて危ないから俺が家まで送っていった方がいいんだろうけど、ヤシガニなんて危険生物を抱えた全裸の男がそんな事したら120%捕まるだろう。
そうこうしている間に、段々と空が明るくなって来たようだ…多分あの子も大丈夫だろう。
俺は、誰にも見られない内にすっかり大人しくなったヤシガニで下半身をガードしながら下宿へと戻った。
途中。
下宿の下駄箱のところで朝練に向おうとしていた部活の後輩に出くわしたが、全裸をつっ込まれる前に『全力』でコレは奇抜なメンズランジェリーだと誤魔化しておいた…きっと数分後には彼の記憶からは抹消される事を願いたい。
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