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カタン
ガツッ
女の子にぽろりしてた俺は、何かに引っかかるような音にそちらを振り向く!
あ! あの野郎!
いつの間にか移動していたらしいヤシガニが少し離れたところにある、あの丸くてグルグル回るジャングルジムっぽいやつの中に入り込んでやがる!
「逃がすか!!」
俺はぽろりがぶらつくのを構いもせず、ヤシガニの後を追って中に飛び込む!
恐えぇ…マジでヤバイが、ここで逃してしまってはもっと大変な事になる!
多分、このクソでかいヤシガニの肉厚で重厚なハサミの威力は、人の指の骨をいとも簡単に狩り飛ばすし犬猫の足くらい簡単にいけるだろう…!
俺はまるで鉄製の丸い牢獄のような空間に、ヤシガニと向かい合って対峙する…じりっ、じりっ、と互いが円形の鉄板の上を淵に沿うように不規則なリズムで距離を保ちながら相手の出方を伺う。
正面からはダメだ…あのハサミの餌食になるのが落ちだ!
俺がそんな事を考えていたとき丁度、淵に沿ってぐるりと回っていたヤシガニと俺の位置が入れ替わる。
するとヤシガニは、急にその六本の足をめいっぱい広げ塞いだ…俺の入ってきた入り口を!!
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