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時は流れた。
少女は大人になっていた。
『暗闇の街』ではない、裕福で、街並みの景観が美しい都会へと引っ越していた。
彼女はもうガラクタを拾わない。道端に落ちている光るガラクタに目も向けない。
みすぼらしい服を着ることもない。裸足で歩くこともない。
彼女は立ち止まって見る。
ショーウィンドウの向こうにある、高価な服や時計やバックを。
ガラクタよりも綺麗な物。誰でも価値が分かる物。
彼女はもう少女ではなくなった。
身体も心も。
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