爆弾低気圧、発進

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  だから、カズヤを通して 知り合いになっていた 女癖の悪い武内を使って、 志緒と再会でも しゃれ込んでやろうと 思ったのは──。 9年前、 終わってしまった 俺と志緒の恋。 自分で置いてきたくせに、 時々思い出しては 熱くくすぶる胸が痛くて。 もう、本当に終わりにしたくて。 もう誠司のものに なってしまった志緒を、 惑わせてやろうと思って。 逃がした魚は本当に 大きかったと悔やめ、 とか思って。 ……実に女々しいが、 いやがらせや悪戯のつもりだった。 .
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