第1章 再会は始まり

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「ったく。何もわかってねえバカ兄だな、お前は」 やれやれと言いた気に、村木は口にした。 「は? わかってないって、なんの事ですか?」 「その美緒ちゃんが頼んできたんだよ」 「・・・えっ!? 美緒がおじさん、じゃなかった、村木さんに?」 「ああ、そうだ。美緒ちゃんはな、自分のせいでお前が刑事になるのを躊躇ってると思ってんだよ」 「あいつが・・・? 美緒のヤツ、そんな事気にして・・・」 意外そうに呟く郁哉だが、まさか美緒がそんな風に思っていたとは。 「ま、お前が思うほど美緒ちゃんはガキじゃねえってこった。もう立派な大人なんだよ。お前の足枷になんのが辛いんだろ」 「でも、だからってこんな急に」 「ふん。急だからなんだ。とにかく、四の五の言わず決まりだ!」 まだ困惑する郁哉の意思など無視し、村木はスパッと話しを纏めてしまった。 こうなっては諦める他あるまい。郁哉も村木の事は小さい頃から知っている。性格も把握してるつもりだ。
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