第 2 章 連鎖する悪夢

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ーーーー①ーーーー あれほどの惨事が起きたのだ。報道されないわけもない。 翌日のテレビや新聞各社は、大々的に事件を報じていた。 【白昼の悲劇。キャンパスを襲った戦慄】 【深紅に染まる血塗られた大学】 中には。 【殺人鬼ジェーソン襲来!】 などなど、時代錯誤におもしろおかしく書く社もあった。 テレビのニュース番組も同じだ。お馴染みの、被疑者、被害者関係者からのモザイクインタビュー映像を流したりと、どこもかしこも似通ったり。 悲痛に伝えているようでいて、所詮は他人事に受けとれるものばかりが報じられていた。 ただ、どのメディアも共通して事件の深い根に触れてはいないが、まだ詳しい詳細を警察は発表していなかったのだ。 それでも、事が事だけに話題性充分といった具合に各社揃い踏み。くわえて、事件発生から二日経ってるにも拘わらず、詳しい警察コメントもない事をネタに。 【目撃者多き場所での犯行!犯人は明確なのに警察は何を!?】 といった批判記事も載せたりと、既に被疑者は捕まってはいるが、数日はこのネタで引っ張るつもりらしい。
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