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始まりは、友人の拾った、前足を怪我した仔猫。
どうやら親猫とはぐれ、迷ってしまったらしい。細い路地裏から鳴き声を聞き付けて、まりかが拾って来た。
「ずっと飼うのは無理かも知れないけど、せめて飼い主が見つかるまでは面倒見てあげようよ」
いかにも、おせっかいな彼女らしい。
あたしがこの部屋に入り浸るきっかけになったのも、入学式でぽつんとひとり孤独に立ち尽くしていたところ、まりかに声をかけられたからだった。
彼女が仔猫を愛でる光景は、微笑ましいとは思った。だが問題は、そこからだ。
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