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「じゃあ、この仔猫は僕が責任を持って育てますから」
「ははーっ! どぞ、可愛がってやってくださいませ!」
いつもの部屋に戻り、まりかから猫を受け取った将司。その将司から、あたしはゆっくり3歩離れた。
「相変わらずだな」
「な、何が?」
「猫アレルギー」
将司の言葉に、目を丸くする。
「なんで、知ってるんだ?」
将司は、まりかが「荷物、取ってくるね」と部屋を出ていくのを待ってから、あたしを見た。将司はそれ以上あたしに近付かないようにしつつも、ささやき声で言った。
「君のことなら、だいたい知ってるよ」
将司は、穏やかに微笑む。その微笑の意味がよく判らずに、数回まばたきをした。
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