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将司は再び、あたしに背を向ける。何か言いたいのに、何も言葉が出てこない。
すっかり暗くなってしまった外の景色に、琥珀の余韻はもうなかった。
「……さやか」
「え、……何?」
「僕達は───あの頃のまま、繋がっていると思う?」
いきなりの問いに、困惑する。
「どういう、意味だ……?」
「君の思ったまま、考えて」
将司はそのままドアを開け、「まりかさんによろしく」と言い残し、行ってしまった。
しばらくぼんやりしてから、はっと我に返り、舌打ちをした。
「何しに来たんだって聞くの……忘れたじゃないか」
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