琥珀の眩暈

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「はあぁー……」  買い物から女子寮に帰ってきてテラスを通りがかった時、大きな溜め息がひとつ聞こえた。見ると、まりかがテーブルに突っ伏してだるそうに足をぶらぶらさせている。 「どうしたんだ?」  まりかはちらりとあたしを見、ぼそりと口を開く。 「……股間節が痛い」  それを聞いて、思わずまりかの下半身を一瞥してしまった。呆けたような彼女の顔に視線を戻す。 「……嵐(あらし)か?」  まさか判ると思わなかったのか、まりかは頬を赤く染めた。 「なっ、なっ、な……」  嵐というのは、あたしの高校の同級生。 .
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