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1-9「……うん、わかってる。でさ、関係ない話、親父が日本語ヘンなのはキャラ作ってたんだな」
「佑子、たまたまワタシが外国人の日本語につられてカタコトになった時に、ゲラゲラ笑ったんだよね。それからだよ」
「そか。めちゃくちゃ好きなんだ、母さんを」
「佑子もだよ。佑子、ワタシにしか佑子って呼ばせない」
「……え。あー……、気づかなかった」
ふ、と自慢気に笑う。
「佑子にはまだ言ってないけど、生まれてくる子供は日本で育てたいんだ。でないと、お兄ちゃんがどんな人かもわからないだろ? 家族の中で育てたい……でも……ワタシはまた……佑子に捨てられるのかな」
このひとも……不安なのか、と親父を見る。
「働かないからだろ」
「将志を見ていたかったんだ! 佑子が産んだワタシの子供なんだ! かわいくて愛しくて……離れたくなかった!」
「ああ、はいはい。限度あるからな?」
「あ。もちろん大人になった将志もかわいくて愛しいよ?」
「……いいよ、そこ気遣わなくて」
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