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「承知した。その言葉を絶対に忘れるな」
声は聞こえるのに、姿は見えない。
だけどその声の主がにやりと不敵に笑った気がした。
────
──
「……ん」
ぴくりと身体が動き、目が覚める。
辺りを見回すが、そこは代り映えしない自分の部屋だった。
まだ視界が定まらない目を擦りながら、いつの間に寝てしまったのだろうかと記憶を遡る。
…そういえばあれは夢だったのだろうか。
「…そりゃそうだよな。あんなこと…あるわけないよな…」
分かっていた。
だけど、そんな小さな可能性にすら淡い期待を抱いてしまった。
自分の馬鹿さに呆れる。
「随分とタチの悪い夢だなァ…」
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