prologue.

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俺が愛していた人は、突然死んでしまった。 いや、突然ではなかったのかもしれない。 あいつは元から身体が弱くて、その時も入院してたんだ。 でもさ。 「もうすぐ退院するって、言っただろうが…」 嬉しそうに教えてくれたじゃないか。 退院したら一緒に桜を見に行こうって約束までしたのに。 「まだ桜、咲いてもいねぇよ…っ」 なんで居なくなっちまったんだろう。 なんであいつの苦しみに気付けなかったんだろう。 まだ伝えたいことがたくさんあったのに。 なんで生きてる間にちゃんと、「愛してるよ」って言えなかったんだろう。 悔やんでも悔やみきれない。 愛してたのに。 俺はずっとお前のことしか好きじゃないのに。 「お前が居なかったら…俺はこれからどう生きればいいのかも分かんねぇ…」 .
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