9人が本棚に入れています
本棚に追加
こんなふうになるんだったら、無理してでも毎日病院に通えば良かった。
毎日 あいつに会って、話して、抱き締めれば良かった。
週に一度しか会えなくて、そのときだって俺の愚痴ばっかり聞かせちまった。
あいつだって話したいことたくさんあっただろうに。
思い浮かぶのは後悔の念ばかり。
「お願いだから…また会いたい…」
そのためならなんでもする。
だから…あいつに会わせて。
高校生の頃に2人で通っていた神社に行ってそう呟く。
あのとき 俺は大学受験を控えていて、あいつは就職の面接があったな。
馬鹿な俺が大学に入るのも、身体の弱いあいつが就職するのも、どちらも同じくらい大変だから。
だから俺たちは毎日 学校帰りにここに通って祈ってた。
そんな日々がずっと続けば良かったのに。
.
最初のコメントを投稿しよう!