episode.1

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「会いたい…」 両手を合わせ、溢れだしそうな涙をこらえながら、震えた声でそう呟く。 「……なんて、できるわけねぇよな…」 そして乾いた笑いをこぼした。 「本当に会いたいか?」 すると突然、どこからともなく声が聞こえた。 凛とした澄んだ声。 幻聴かと思った。 だけどそんな幻聴にさえ縋りたくなるほど、俺はあいつに会いたくて仕方がなかった。 「会いてぇよ……」 「そうか。そのためならお前はどんなことでもできるか?何を犠牲にしてでも会いたいか?」 強く言い聞かされるような声に、少し怯える。 だが少しも迷うことなく答えた。 「なんだっていい!あいつにまた会えるなら…!」 声のする方向を探るようにあたりを見回しながら叫んだ。 「……分かった」 「本当か!?」 「彼に会えるのは一週間だ。そのあとお前は代償を払うことになる」 「分かった!なんだってする!命を落としたってかまわない…!」 .
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