79人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
「3年も、3年も彼を支えたのに。」
「お陰で借金は300万いって。でも彼がギャンブルしてるのは知ってて、浮気も気付いてて。」
「それでも好きだったのに-!」
グズグズと愚痴を垂れ流し、人の酒を飲み干す彼女は公園で知り合ったそいつで。
案の定買って正解だった箱ティッシュは大量に消費されていく。
要約すれば、馬鹿女がくず男に引っ掛かって、騙されたという事だ。
「あんた、よく飲むな。」
呆れながら空の缶を潰す。
ケース買いしたビールはもうない。かわりにワインを紙コップでも飲み出した。
公園で知り合ったこいつは、何故か後をついてきてこうして一緒に飲んでいるのだ。
「こっちだって、最悪な日なんだよ。」
自分1人が絶望だと思うなよ。
お互い様だと思ったが、お酒の力で口は軽くなっていった。
「こっちは5年も付き合ってたんだ。なのに、彼女と住むためにマンション買って、さぁ今日から住むぞーってなった途端、さようならだって。ふざけんなよ!」
「彼女-?レズなの?」
「うるせーな、文句あんのか?」
相当酔っているのか、相手はケラケラと楽しげに笑いながら肩を叩いてきた。
力加減ができてなくて、痛い。
「ないない!好き合えば上等!」
かなり酔ってるな。
やれやれとつまみを食べると、いつの間にかほとんどつまみがなくなっており、ワインも最後の1杯だった。
「お前!遠慮しろよ!」
「しませーん!ごちです!」
図々しい!悪態をつきながらも、もうお開きにしようとゴミを片づけた。
最初のコメントを投稿しよう!