ルームシェアの君へ

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「3年も、3年も彼を支えたのに。」 「お陰で借金は300万いって。でも彼がギャンブルしてるのは知ってて、浮気も気付いてて。」 「それでも好きだったのに-!」 グズグズと愚痴を垂れ流し、人の酒を飲み干す彼女は公園で知り合ったそいつで。 案の定買って正解だった箱ティッシュは大量に消費されていく。 要約すれば、馬鹿女がくず男に引っ掛かって、騙されたという事だ。 「あんた、よく飲むな。」 呆れながら空の缶を潰す。 ケース買いしたビールはもうない。かわりにワインを紙コップでも飲み出した。 公園で知り合ったこいつは、何故か後をついてきてこうして一緒に飲んでいるのだ。 「こっちだって、最悪な日なんだよ。」 自分1人が絶望だと思うなよ。 お互い様だと思ったが、お酒の力で口は軽くなっていった。 「こっちは5年も付き合ってたんだ。なのに、彼女と住むためにマンション買って、さぁ今日から住むぞーってなった途端、さようならだって。ふざけんなよ!」 「彼女-?レズなの?」 「うるせーな、文句あんのか?」 相当酔っているのか、相手はケラケラと楽しげに笑いながら肩を叩いてきた。 力加減ができてなくて、痛い。 「ないない!好き合えば上等!」 かなり酔ってるな。 やれやれとつまみを食べると、いつの間にかほとんどつまみがなくなっており、ワインも最後の1杯だった。 「お前!遠慮しろよ!」 「しませーん!ごちです!」 図々しい!悪態をつきながらも、もうお開きにしようとゴミを片づけた。
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