東京種喰

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《2日目 どこかでもふもふ・ぎゅー》 風に靡く黒髪をカネキは邪魔そうにかきあげた。 それでも、彼の柔らかくサラサラとした髪は落ちてくる。 「…そろそろ切ろうかなぁ。」 ボソリと呟いた声が耳に届いた。 手を伸ばし、彼の髪に触れる。 くしゃくしゃと掻き回すも、彼の髪が絡まることはない。 あー、もふもふで手触り良いな。 容赦無くモフってると、カネキが身を翻して逃げた。 「何すんだよ。」 その問いには答えず、ニッと笑って言う。 「俺が切ってやろうか。」 「いいよっ。 ヒデがやると変になりそう。」 そんなことねーよ、って笑って言う。 絶対なる、って笑って言う。 「お返しだっ。」 油断してたら、カネキが俺の髪をくしゃくしゃにしてきた。 「ちょ、お前ワックス!!」 「ヒデの髪は以外と柔らかいんだねぇ。」 あー、もうグシャグシャじゃん。 「…じゃあ、切って貰おうかな。」 ポツリ、と風に運ばれてきた声。 「え、なんて?」 掠れて消えそうな声に、聞き間違えかもしれないと思って聞き返す。 うつむいていたカネキがバッと、顔を上げた。 その顔は耳まで赤く染まっていた。 「だからっ、ヒデに髪の毛切ってもらおうかなって………。 ダメ………?」 その声はだんだんと小さくなっていったが、確かに聞いた。 ……破壊力、抜群だな。 「おぅ、任せろ!!」 俺の言葉を聞いて、ホッとしたように笑うカネキ。 あー、何でこいつこんなに可愛いんだろうな………。
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