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世界中のお金持ちでも、選りすぐられた『レディ』しか入れないお嬢様学校。
しかも、学生は美人しか選ばれないから、学校に関わる人達も皆何かの腕前が凄いのは当たり前だし、見た目もよくないといけないから、聖マチルダに就職できるだけで凄いんだってさ。
気がついたら、ずっとマチルダで料理修行をしてるから実感しないけど。
それにしても、この門ってどうやったら開くんだろう?
指紋認証って何処でやるの?
門を見てもインターホンしかないし、第一押してもなんて言えばいいのかわかんないよ……。
名前を言ったら開いてもらえるの?
それとも、日本で合言葉になってる『開けゴマ』って言えばいいの?
お父さんは、困った時は必ず『開けゴマ』って言えば大体の扉は開くと教えてくれたけど……、合言葉が違った時、どうやって忍者や侍を対処すればいいのかなんてわかんないし……。
今のところ忍者も侍も居ないけど、お父さんは「悪いことをしたら、忍者や侍に斬り殺されるから注意して」って言ってた。
でも、ここの建物に入らないと、念願の忍者になることもマチルダに戻ることもできないし……。
とりあえず、インターホンを鳴らした。
そうして、一呼吸して「開けゴマ」と言う。
すると……、インターホン越しに大きな笑い声が聞こえてきて……。
……あれ、何か可笑しかったかな?
なんて首を傾げる。
「え、えぇと……名前を教えて下さい」
「本日入学予定の卯月マリア真白です」
「は、はい……。い、今すぐに門を開けます、ので……プフッ」
何が可笑しいかわかんないけど、笑われたことで顔が真っ赤になる。
それでも、門は開くんだからいいやと思って待ってると……。
待ってると……、何も起きない。
「あ、あれ? なんで?」
泣きそうになりながら、辺りをきょろきょろと見渡していると……。
「うおー、遅刻するぅぅぅー!! どいてくれぇぇぇ!!」
真っ黒なアフロの日本人が大きな門をよじ登って行ってしまった。
日本の門って、よじ登らなきゃいけないなんて……、知らなかった!!
流石侍の国、ジャパン。
鍛え方が違うなんて……、マチルダ以下なんて思ってたけど、思ったより凄いのかも!?
そう思いながら、目の前にある大きな門を見てごくりと生唾を飲み込んだ。
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