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「じゃあ、なんで自分で買おうと思わないの?」
「そこにあるんだから、それでいいだろ!」
「他人の物なのに?」
「他のものを使えばいいだろ?」
「自分が他のものを使おうと思わないの?」
「オレが使いたいと思ったんだ、それを使うのが当然だろ??」
駄目だ、この学校には居られない。
こんなにイライラした相手なんて初めて。
特にメリットのない学校に用なんてない。
日本に居なきゃいけないなら、他の学校を当たればいいしね。
そうだ、京都の学校に行こう。
きっと『雅』な感じの和風な人達が居るかもしれない。
そういう人なら、きっと謙虚で僕が求めていた日本人ばかりかも。
もしかしたら、忍者や侍も居るかもしれないし。
「ねぇ、入学は無かったことにして?」
「ま、待ってくれ……、卯月君……!!」
「僕に自由はないの? 拒否権はないの?」
「そ、そういうことじゃないんだが……」
「じゃあ、無かったことにしてよ、もううんざり」
「お爺ちゃん、そんな奴に構うなよ!! 悪いやつに洗脳されちゃ駄目だ!」
理事長がバップをひと睨みすると、さっきバップを連れて出て行った人は、即効バップを連れて外に出て行った。
その間、他の人達は凄く苦しそうな顔をしてる。
一番優しくしてくれたヤクモに悪いことをしたと、徐々に理解し始めてきた。
理事長もヤクモ達も、何も悪くはない。
でもね、ここで引いたら僕ずっと「外国人、帰れ」って言われ続けるんだよ?
絶対、引けない。
「もう、いいだろ。なんで理事長はそんな馬鹿に拘るんだ」
「この学校にしか……、この学校にしかもう居られないんだ……。最後の砦なんだ……」
「自業自得もいいだろ。それに、最初に問題を起こして退学したやつをなんで戻すかな?」
「退学したの?」
「あぁ、そうさ。この橘 哉人はな、俺等が一年の時に同じ一年として転校してきた天敵だ」
「僕の……、恋人を奪ったまま転校したんです」
「ワーオ……」
こんな状態なのに、よく転校しないよねと思う。
そんなにこの学校がいいとは感じないけどな。
「それでも、僕はこの学校が大切で……、もう壊れてしまったけど、恋人との思い出が残る大切な学校なんです」
ヤクモ……。
日本に侍が居ないなんて嘘だ。
ヤクモは、立派な侍だ。
ブシドーがきちんとある。
「しょうが無いね、バップを近寄らせないことを条件でのむよ」
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