第1章

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町はずれにあるスナックバー「bullet hole(銃痕)」 マツコママとホステス・トオミ。 たった二人で切り盛りする小さなバー。 「あらー、たーさん。いらっしゃい!!」 店がオープンするやいなや入ってきた客にマツコママは大げさに喜んだ。 入ってきた客は田中和則47才。会社員。 トオミ目当ての上客。 「お、一番乗りだな! トオミちゃんはいる?」 一番乗りなら必ずトオミがテーブルに着くからそれを狙ってきたので喜んでいる。 マツコママは奥にいたトオミを呼んだ。 「トオミちゃん! たーさんよ!」 厚めの仕切りカーテンが開いてトオミが出てきた。 キリリと上がった太い眉毛。 引き締まった口元。 凶眼(EVIL EYE)と呼ばれているおよそホステスにふさわしくない鋭い目。 顔にゴルゴ線。 それがトオミ(十三)だ。
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