私と彼の恋愛白書

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ー12月31日、その日は日本人にとって特別な日であり、私にとっても特別で大切な日ー 12月31日、日曜日 ネオンが夜の街を包む頃、私はただひたすらに走っていた。 彼との待ち合わせ場所である駅まで。 事の始まりは今朝。 古くからの友達と遊んでいた時の事だ。 友達が私に聞いてきた。 「ねぇ、今年の大晦日は誰と過ごすんだい?」 私はそれを聞いてすぐに答える。 「今の所は予定ないよ。」「じゃあ彼でも誘ったら?」 友達がニヤニヤしながら私に言う。 私は彼女のいう『彼』が誰なのかわかっていたが、あえてわからない振りをして聞いた。 「彼って誰の事?」 すると、私の言い方があまりにもわざとらしかったのか、友達は笑いを噛み殺す様に体を震わせた。 「彼は彼だよ。ほら、君が愛してやまないあの彼さ。」 「バッ…、バカな事言わないで。」 私は慌てて否定する。 しかし、顔が目に見て分かるほどに赤くなっているので全然説得力がない。
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