私と彼の恋愛白書

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『彼』、それは今私が一番好きな人物。 彼とは中学からの知り合いだが、関係はというとただの友達といったところだ。成績優秀で、人当たりも良い彼を狙っている女子は自分以外にもたくさんいる。私は今年こそ彼に想いを伝えようと思っているのだが中々うまくいかず、もうすぐ年が明けてしまおうとしていた。 そんな私をじれったいと思ったのだろう。 今朝、友達に呼び出されて今に至るというわけである。 「そういえば、明日って彼の誕生日だよね。」 「えっ!そうなの?」 突然の言葉に私はつい大声を出してしまった。 周りの視線が痛い。 「そうだよ。君、知らなかったのかい?」 友達が本当にビックリした様な顔で聞く。 「うん。だってそんな話なんてしないし…。」 私は思わずしゅんとなった。 その様子に友達は仕方ないというように肩をすくめる。 「まぁ、あたしも最近知ったんだけどね。」 そういうと友達はさめかけのコーヒーに口をつけた。重苦しい沈黙。と、私の携帯から着信を知らせるメロディが流れてきた。 私はチラと友達を見る。 それに気付き、友達はどうぞという仕草をした。 「はい。」 電話に出ると、聞きなれた声聞こえてきた。 彼だ。 『あっ、俺だけど。ちょっといい?』 「いいよ。何?」 緊張のためか、声が少し震える。 私は彼に気付かれないか心配だったが、彼はその事に気付かずに話を進める。 『えっとさ…。お前、今日は何か予定ある?』 「えっ……。特にないけど何で?」 私は驚いて、彼に聞き返す。と、彼は突然歯切れが悪くなった。 なんと言おうか迷っている様だ。
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