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「てか、あれじゃん。昼飯食わないと…」
気だるい体をなんとか起こし台所にとぼとぼ歩いていき、カップ麺を乱雑に物が詰め込まれた戸棚からなんとか引っ張り出す。
やかんに水道水をぶちこみ、コンロにかけ、布団を干しに向かう途中に机の足に小指をぶつけて転げ回るうちに頭もぶつけて自分の残念さにうちひしがれた。
なんだこの可哀想な男は。
足を抱えたまま床で転がっている自分は他人から見たらさぞ気持ち悪いだろう。いや、自分でもそう思える自信がある。
「なにやってんですか気持ち悪い」
「なにやら玄関口から自分をけなす声が聞こえたのは間違いなく気のせいだ」
「なにその語り口調。どうしたの」
「頭打ったせいでおかしいんですわ」
「頭打つ前からおかしいんですわ」
「それはひどいな」
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