願いが深いと呪い(まじない)になる

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「おっとうが元気で、側に居てくれたら、幸はもう泣きません!」 幸は真っ直ぐに鬼を見詰めてそう言った。 鬼はその瞳から逃げるように空を見る。 「一雨来そうだ。そろそろ帰ろう!」 鬼の言葉に空を見ると、知らぬ間に灰色の雲が空を覆っていた。 嵐が来そうだと呟いた鬼の言葉に、幸は野菜を持ったまま眉間に皺を寄せた。 ずっと木陰で寝ていた一角を鬼が抱き上げ、三人は家へと足早に帰って行く。
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